毎年2月に、台北で「台北国際書展(台北国際ブックフェア)」が開催されます。
2019TIBE台北國際書展オフィシャルサイト
今年の日程は2月12日(火)~17日(日)、場所は台北101すぐ脇の「世界貿易中心」の1号館と3号館での開催、1号館は一般書、3号館は児童書です。
(下の写真は、昨年のようす)
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 台北ブックフェアは、台湾の読者や出版業界だけでなく、社会全体の話題として比較的重要視されています。毎年、初日には総統が会場を視察して各社のブースを回り、実際に本を購入するのが恒例となっています。昨(2018年)の初日には、もちろん蔡英文総統も来ましたよ。
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 国際ブックフェアには、ざっくり言うと2つのタイプがあります。
 1つは、版権取引をメインとする、いわゆるB2B型のブックフェア(フランクフルトブックフェアやボローニャブックフェアなどがそうです)。もう1つは、一般読者に本を売ることをメインにする、いわゆるB2C型のブックフェアです(以前レポートした香港ブックフェアはこのタイプです)
 
 そして、”アジア最大級”と言われている台北国際ブックフェアは、B2BとB2Cの両方が行われます。
 台湾地元の出版社は、ブースを出して読者に自社の本を販売したり、著者の講演会を開いてこの1年に出した本を改めてプロモーションしたりします。一方、海外の出版社は、版権商談ブースを出展したり、ライツセンターで台湾の出版社とミーティングをしたりして、自国の本を台湾の出版社に売り込みます。
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 期間中は、著者のトークなど、本に関するたくさんのイベントが行われます。
 太台本屋 tai-tai booksが気になったイベントをピックアップしてお伝えしていきますね。
 以下、随時更新していきます。

【2月12日(火)】台北国際書展 初日
 10:00~15:00 1号館は出版関係者のみ入場可能 (3号館は入場可能)
 15:00~20:00 一般開放

【2月13日(水)】開場時間10:00~20:00
●15:00~16:00原來台灣這麼美:《台灣最美的地方:國家公園地圖》」
  日本の読者にも大人気、台湾各地の特徴がイラストで一目でわかる絵本《台灣地圖》の著者・陳又凌氏の新作は、台湾に数ある国家公園(自然保護区)を描いた絵本で、台湾の多様な地理、生態環境、土地の文化が美しいイラストによって表現されている。著者によるトーク。
  1号館 青春沙龍にて 主催:聯經出版
  詳しくは→ https://www.facebook.com/events/516345458856578/

●18:00~19:00新書分享會《臺灣日式建築紀行》——渡邉義孝 × 凌宗魁 對談」
  台湾に残る日本式建築を訪ね歩き、記録している建築家・渡邉義孝先生の詳細なカラーイラストのフィールドノートが、台湾・時報出版から刊行。刊行記念対談です。
  1号館黄沙龍にて 主催:時報出版

●11:45~12:45台北書街與書店慢步——水瓶子」
  台北各地にある本屋をこまめに訪ねたり、書店案内ツアーをしたりする水瓶子のトークです。
  1号館 文学沙龍にて 主催:玉山社


【2月14日(木)】開場時間10:00~20:00
●13:00~14:00濃密黑暗裡的一縷微光:往返台日的《獨舞》——李琴峰 × 楊佳嫻 對談
  群像新人賞受賞した在日新人作家・李琴峰の『独り舞』の台湾版は本人が翻訳して刊行。詩や散文、評論を発表し、台湾文学の最前線で活躍している楊佳嫻との対談です。
  1号館文学沙龍にて 主催:聯合文学

●13:30〜14:30董啟章愛‧慾小說三部曲 ——董啟章×駱以軍 對談
  日本でも『地図集』が翻訳されて刊行された、現代の香港文学を代表する作家・董啟章。2017年《心》、2018年《神》、そして最新作《愛妻》まで、この数年、非常に精力的に長編小説を発表し続けている彼。愛情と欲望、そして精神と肉体は表裏一体なのか、それとも対立するものなのか、という文学の永遠のテーマについて、台湾の著名作家・駱以軍と対談する。
  1号館 國際書展主題廣場にて 主催:聯経出版
  詳しくは→https://www.facebook.com/events/1452979021513143/


【2月15日(木)】開場時間10:00~22:00
●19:45~20:45「作家東山彰良《我殺的人與殺我的人》新書座談會」
  『流』に続き、台湾を舞台にした東山彰良さんの小説『僕が殺した人と僕を殺した人』の台湾版が刊行(1月28日発売)。まだ正式に発表されていませんが、対談の相手は、台湾の”あの作家さん”です。
  1号館 國際書展主題廣場にて 主催:尖端出版
 

【2月16日(土)】開場時間10:00~22:00
●11:00~12:00 石頭《因為留不住》新書分享會」
 五月天Maydayの石頭、初の散文集《因為留不住》の刊行を記念したトークイベント。
 1号館 國際書展主題廣場にて 主催:時報出版

●11:45~12:45移動的大海——夏曼・藍波安」
  今までの作品は海を語り続けるシャマン・ラポガン、今度の新作『大海之眼』で陸での仕事の体験談をする。心と魂はやはり海に向かっていく。
  1号館 藍沙龍にて 主催:印刻文学生活

●14:00~16:30 「閉上眼睛一下下,讓我好好想一想——幾米簽書會
  日本でも大人気の絵本作家幾米ジミーの新作『閉上眼睛一下下』のサイン会。当日、大塊文化ブースでジミーの本を購入し、整理券をもらって参加(先着順)。
  ※翌2月17日(日)にも同時刻、同システムにてサイン会開催。
  1号館 大塊文化ブース〔B1209〕にて 主催:大塊文化
  詳しくは→ https://www.facebook.com/events/323865395138729/


【2月17日(日)】開場時間10:00~20:00
●13:00〜14:00 「古屋兔丸《荔枝光俱樂部》新書對談講座」
  古屋兎丸市の『ライチ☆光クラブ』台湾版刊行を記念し、翻訳を担当した、台北のアンダーグラウンド漫画喫茶「Mangasick」店主・黃鴻硯氏との対談。
        1号館 黃沙龍にて 主催:臉譜出版

●13:30〜14:30 「聆聽內心受傷寂寞人們的心事-《夜巡貓》分享會」
  台湾でも大人気の『夜回り猫』作者・深谷かおる氏によるトーク。
  1号館 國際書展主題廣場にて 主催:大塊出版

●14:45〜15:45 「吳明益《苦雨之地》新書系列講座 【第五場】沉默之聲:關於自然書寫的演化(2)」
  『歩道橋の魔術師』『自転車泥棒』の呉明益さんの最新小説《苦雨之地》に関する講座です。
  終了後、新経典文化のブース(D707)にてサイン会もあり。
  1号館 國際書展主題廣場にて 主催:新經典文化ThinKingDom
  詳しくは→https://www.facebook.com/events/599583267156136/


●16:45〜17:45 「歲月塗寫—— 《文。張照堂》新書講談會」
  60年代からアバンギャルドな写真作品を発表し続けている、現代台湾を代表する撮影家の張照堂氏が初めての散文集を刊行。60年代以降書きためてきた文章や絵などを収録。建築家であり、小説家である阮慶岳との対談。
       1号館 文學沙龍にて 主催:影言社

(以上、逐次追加していきます)