台湾土着の妖怪をテーマにした、若手漫画家による六篇のオムニバス作品集。
 台湾で初めての妖怪漫画作品と言われる。

 本作のもととなっているのは、現在、企画・製作が進行中のメイド・イン・台湾アニメーション作品『妖怪森林』。このアニメの制作会社「原金国際 Engine Studios」と、台湾で大人向けのコミックやグラフィックノベル、バンドデシネ作品などを刊行している出版社「大辣出版」が、共同で企画した作品だ。
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 この漫画作品は、アニメ『妖怪森林』の前日譚となるオムニバスで、作風とスタイルが異なる6人の若手台湾漫画家が、台湾土着のいろいろな妖怪をテーマに描いている。

 物語は、霊感が強い少女と、その父である博士が主人公。冒険旅行に旅立った二人が、台湾各地の森や町で出会った妖怪、伝説、そして不思議な事件などが描かれる。
 物語に登場するそれぞれの妖怪は、その土地の風習や文化と深く繋がっている。

「妖怪は、人々の、自然に対する敬畏と恐怖から発生したものだ」と、原案アニメーション制作会社・原金国際の統括・王世偉氏が語っている。


 第1話の「白鹿」は、台湾中央部にある美しい湖、日月潭周辺に住む原住民・邵族(サオ族)の「逐鹿傳說(鹿追い伝説)」に由来する。伝説によればこの白鹿は、毛が雪のように白く、形は鹿のようなものだが、邵族の夢の中に、白衣をまとった若い女性の姿をして現れると言われている。

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 漫画:曽耀慶 原案:台北地方異聞工作室 青悠  


燈猴」は祭りの時、蝋燭の座を掲げている猿のこと。むかしの台湾では、冬至の日に、一年の疲れを慰安する意味で、家具や家畜に白玉団子をくっ付ける習慣があった。しかしある年、燈猴に団子をつけるのをうっかり忘れてしまう。これに不満な猿は、家族にいたずらをするようになり……。

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 漫画:羅寗  原案:台北地方異聞工作室 青悠


 「禍伏鳥」は泰雅族(タイヤル族)の神話伝説の中に出てくる妖怪。外見は鳩に似て、白い体と真っ赤な爪の持ち主で、見る人に死をもたらすという不吉な怪物だ。

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 漫画:黄正 原案:陳紀樺


魔神仔」はいろんな様子に化けることができる妖怪。子供や登山者を道に惑わせ、迷子にさせる。山で人が失踪すると、よく「魔神仔に会った」と言われる。
 台湾は高い山が多いので、比較的によく聞く妖怪。
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 漫画:李瑋恩 

貓鬼」は普通の猫より大きい山猫のようなもの。夜行性で、大人が気付かないとき、赤ん坊を殺す妖怪と言われている。
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 漫画:Elainee 原案:趙逸文

 「椅仔姑」は、日本の「こっくりさん」のような占いをすると出てくる霊のこと。その由来は、実は虐待死された童女の悲しい言い伝えだった。
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 漫画:筆頭Penpoint  原案:鞏雲飛

 「台湾の妖怪」と言えば、昨年、当ブログの記事「僕は台湾妖怪の"轉型正義"をやってるんです」ーー台湾の妖怪研究家・作家 何敬堯さんに聞く」(リンクは こちら)でもレポートした。ブームはまだ続き、新たな創作作品が続々生まれている。

「妖怪森林」FBページ: https://www.facebook.com/LaqiMovies/
『妖怪森林 外傳』博客来ページ: https://www.books.com.tw/products/0010823147

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