黄郁欽『魔幻大戲院』(星月書房、2019年)
 古い映画館と台湾映画をテーマにした、初めての絵本。

 忙しい父さんと母さんは阿棋(アチー)の面倒を見られなくて、阿棋は田舎のおじいちゃんの家で夏休みを過ごすことになりました。おじいさんはボロボロな古い映画館「魔幻大戲院」を経営しています。
 おじいさんは、映画をかけたり、古い建物を直したり、一日中コマみたいにくるくる動いて、実はお父さんとお母さんよりも忙しそう……。
 この映画館は町の誰よりも年をとっていて、そして、みんなの思い出の場所でもあります。

 最初は映画に興味がなかった阿棋も、1本、また1本と観るうちに、だんだん面白くなってきました。毎日どんな映画を放映しようと悩むおじいちゃんとも、少しずつ距離が縮んできて……。

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 この映画館に入った人は、懐かしい映画に心が惹かれて、なかなか出られなくなります。

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 60年代の白黒映画『大侠梅花鹿』から、今年(2019年)日本でも公開されるアニメーション『幸福路上(邦題:幸福路のチー)』まで、各年代の台湾映画が登場します。
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黄郁欽(ホァン・ユーチン)
絵本作家、脚本家。映画について学び、テレビの脚本家としても活躍している。空想したり、自由に絵を描いたりすることが好きなので、絵本を勉強しはじめた。1996年、絵本創作者のサークル「圖畫書俱樂部」を創設、2017年からは台湾各地の独立書店で「手作り絵本」を展示する「書店裡的手製繪本展」などの活動を行っている。絵本作品には『我家在這裡(うちはここだよ)』『嘰哩咕嚕碰(ぎりぐるぽん)』『好東西(いいもの)』『不要跟你玩了(きみとあそばない)』など多数。パートナーである絵本作家・陶樂蒂との共著に、旅行エッセイ『絵本感小物旅行紀事』、絵本『給我咬一口』『給你咬一口』『陶樂蒂的開學日』などがある。

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(店長・エリー)