↑書影をクリックすると版元ドットコムへ飛びます
『台湾漫遊鉄道のふたり』
『台湾漫遊鉄道のふたり』
楊双子 著、三浦裕子 訳
2023年4月20日、中央公論新社より刊行
ーーーーー以下は、原書紹介時の内容ですーーーーー
『臺灣漫遊錄』楊双子〔長編小説〕
・緻密な史料考察の上に築かれた、二重三重構造の仕掛けが話題を呼ぶフィクション。
・小説における虚構性や、翻訳の原文に対する批判性などについて考えさせる秀作。
昭和13年(1938年)、長崎の作家・青山千鶴子の半自伝的小説『青春記』が映画化され、台湾でも上映される。
在台湾の日本人婦人団体「日新会」の招きを受けた千鶴子は台湾に渡り、台中を拠点に各地で講演を行うことに。千鶴子の滞在中に通訳を担当したのは、台湾人の女性・王千鶴。
2人の‟千鶴”は、一緒に台湾縦貫鉄道に乗り、各地へ旅行を重ねる。
千鶴子は、そこで出会った人々、料理、風景など、台湾での一年の生活体験や、特別な友人となった千鶴への想いを綴っていく。
台湾・春山出版 2020年4月刊行
繁体字約130,000文字
内地(日本時代の台湾で、日本のことを指して言う)の日本人作家の目に映った当時の台湾の風土、庶民の生活、屋台や食堂、鉄道や地景、言語環境などについて感じたものを綴った架空の滞在記。
各章のタイトルのように、瓜子、米篩目、麻薏湯、生魚片(さしみ)、肉臊、冬瓜茶、咖哩、壽喜燒(すきやき)、菜尾湯、兜麵など、台湾の食べ物を、姉妹のように仲の良くなった日本人の女性作家と、台湾女性通訳が味わいながら(どちらも人並み外れた大食漢!)話が展開していく。
しかし千鶴子と千鶴の関係には、主人とそれに仕える者という立場が常に付きまとう。もちろんその背後には、植民者と被植民者、統治と被統治という日本と台湾の歴史上の権力構図があることは言うまでもない。生まれも育ちも完全に異なる2人は、徐々に接近していくが、それに伴う齟齬も生じてくる。また、2人に関わる湾生(台湾生まれ)の日本人には、2人とはまた違った立場や考え方がある。
日本人作家の異国に対する膨れ上がった思いは、現地の人にどう受け止められるのか。
戦争の影が近づく中、千鶴子と千鶴はそれぞれが望む運命に向かって進んでいけるのか?
そして、2人の特別な友情の行方は……?
【目次】
昭和二十九年《臺灣漫遊錄》初版前言
一、瓜子 (カボチャのタネ)
二、米篩目 (米粉うどん)
三、麻薏湯 (麻薏の葉スープ)
四、生魚片 (さしみ)
五、肉臊 (ひき肉の煮つけ)
六、冬瓜茶 (冬瓜ジュース)
七、咖哩 (カレー)
八、壽喜燒 (すき焼き)
九、菜尾湯 (五目スープ)
十、兜麵 (五目具入り餅)
十一、鹹蛋糕(肉そぼろサンドカステラ)
十二、蜜豆冰 (みつ豆)
昭和四十五年(1970)《我與千鶴的臺灣漫遊錄》後記〈母親的回憶〉青山洋子(青山千鶴子之養女 藝術家)
民國七十九年(1990)《一位日本女作家的臺灣漫遊錄》譯者代跋〈麵線〉王千鶴
民國七十九年(1990)《一位日本女作家的臺灣漫遊錄》編者代跋〈故人的約定〉吳正美(王千鶴之女 學者)
新版譯者代跋〈琥珀〉楊双子
【著者】
楊双子
双子の姉妹・楊若慈、楊若暉が共用するペンネーム。姉・若慈は創作、妹・若暉は歴史考察と日本語の翻訳に長ける。共同で台湾の歴史を背景とする百合小説の創作に専念。作品に小説『花開少女華麗島』『花開時節』、何敬堯、瀟湘神などとのアンソロジー作品に『華麗島軼聞:鍵』がある。
日本版『台湾漫遊鉄道のふたり』情報は↓こちら
【メディア掲載、イベント等】
〔新聞〕
・毎日新聞和歌山県版 「本屋プラグのためにならない読書」(2023年4月23日)にて紹介→リンク
・日本経済新聞 書評欄(2023年5月27日)にて書評掲載 →リンク
評者:神戸大学教授、現代中国文学研究者 濱田麻矢氏
・毎日新聞 書評欄(2023年6月3日) にて書評掲載
評者:作家 川本三郎氏
・読売新聞「本よみうり堂 トレンド編」(2023年6月5日夕刊)にて著者インタビュー掲載
・朝日新聞 読書欄(2023年6月17日)にて書評掲載 →リンク
評者:藤田香織 氏
・山陰中央新報(2023年6月23日)記者の書評 掲載 評者:報道部 森山郷雄氏
・公明新聞電子版(2023年07月31日) 評者:作家 山崎洋子氏
・日刊ゲンダイDIGITAL (2023年8月26日) 週末に読みたいこの1冊 →リンク
・山陰中央新報(2023年6月23日)記者の書評 掲載 評者:報道部 森山郷雄氏
・公明新聞電子版(2023年07月31日) 評者:作家 山崎洋子氏
・日刊ゲンダイDIGITAL (2023年8月26日) 週末に読みたいこの1冊 →リンク
・読売新聞(2023年9月2日)にて書評掲載 評者:池上春奈氏 →リンク
〔雑誌〕
・「台湾観光」2023年5-6月号「本から始まる台湾旅」にて紹介 →リンク
・「週刊文春」2023年6月15日号 酒井順子氏「私の読書日記」にて紹介
・「GINZA」2023年7月号 ブックレビューにて紹介 評者:北村浩子氏
・「鉄道ジャーナル」2023年8月号「わたしの読書日記」にて紹介 評者:蜂谷あす美氏
・「本の雑誌」2023年8月号「鉄道書の本棚」にて紹介 評者:V林田氏
・「東京人」2023年8月号 川本三郎氏「東京つれづれ日誌」にて紹介
・「鉄道ジャーナル」2023年8月号「わたしの読書日記」にて紹介 評者:蜂谷あす美氏
・「本の雑誌」2023年8月号「鉄道書の本棚」にて紹介 評者:V林田氏
・「東京人」2023年8月号 川本三郎氏「東京つれづれ日誌」にて紹介
・「中央公論」2023年8月号「古内一絵×楊双子対談 歴史の空白を小説で描く 日本統治時代の台湾を舞台に」掲載
・「週刊新潮」2023年9月21日号「ベストセラー街道をゆく!」にて紹介 評者:倉本さおり氏 →リンク
・「週刊新潮」2023年9月21日号「ベストセラー街道をゆく!」にて紹介 評者:倉本さおり氏 →リンク
〔SNS・ラジオ〕
・画家の奈良美智さんがTwitterで紹介 (2023年5月16日) →リンク
・FMラジオ「デイリーフライヤー」で、書評家の倉本さおり氏が紹介。(2023年8月15日)
〔イベント〕
・2023年5月28日 日台湾文化センター×紀伊國屋書店 共同企画
『台湾漫遊鉄道のふたり』刊行記念 楊双子さん×古内一絵さんトークイベント開催
Youtube アーカイブ →リンク
・2023年8月23日 MEILI × 太台本屋 tai-tai books 共同企画
「『台湾漫遊鉄道のふたり』刊行記念 台湾漫遊メシを食べる会」→ リンク
・(予定)2023年9月 三鷹「UNITÉ」にて読書会開催予定
・2023年8月23日 MEILI × 太台本屋 tai-tai books 共同企画
「『台湾漫遊鉄道のふたり』刊行記念 台湾漫遊メシを食べる会」→ リンク
・(予定)2023年9月 三鷹「UNITÉ」にて読書会開催予定
更新投稿:2023年10月8日
初回投稿:2020年6月12日