『代替說再見 一道青春必解的習題』張維中 〔成長小説〕

仮タイトル:さよならにかえて――とある青春の必修科目

過去の出来事にさよならを言えずに大人になった私たち。

未解決の青春の課題と和解し、次の角を曲がってみよう。


iogoodby
台湾・原點出版 2019年10月刊行  
中国語で約11万字

 過去20数年に発表した短編小説9編と、新しく書き下ろした2編を収録した、著者の過去から現在への創作の軌跡を記録したベスト短編集。

 「生きていれば、新しい可能性に出会うことは難しくはないが、過去にはちゃんとさようならを言えなかった場面が多々あるのではないか。それは、青春時代に出会った人であったり、出来事や関係だったり、一種の消化できない気持ちだったかもしれない。あるいは、好きではない自分の一面だったかもしれない。そして、いつまで経っても解決できないまま、心の隅に刺さっている」(まえがきより)

 よしもとばなな作品を彷彿とさせるじんわりした癒しの雰囲気と、時に意表を突かれる意外な展開で、読者の心を鷲捕みにする短編小説集。

【目次】

まえがき 一道⻘春必解的習題
1 「代替説再見」 (さよならにかえて)
2 「帶著水母去流浪」 (クラゲと旅する)
3 「讓飛魚去憂傷」 (悲しみをトビウ オに)
4 「501 紅標男孩」(501赤ラベル男子)
5 「吸血公園」
※試訳あり

6 「分類作業」
7 「戀戀真夏」
8 「天地無用」
※試訳あり
9 「火
10 「雨割特典」

11 「偷偷告訴」(こっそり教えて)
あとがき ⻘春關鍵字 (⻘春のキーワー ド)
 


【著者】
張維中(ちょう・いちゅう/チャン・ウェイチョン)

1976年、台湾・台北生まれ。作家。東呉大学英文学科卒業、文化大学大学院英文学科修了。1997年、長編小説『岸上的心(岸辺の心)』で作家デビュー。都会的で軽やかな文体と映像的な描写、鋭さとユーモアにあふれる会話で、家族や人間関係を見つめなおす作風が高い評価を得ている。梁實秋散文賞など受賞多数。

エッセイ集『不是太堅強(頑なでなく)』、『東京上手辞典』、短編小説集『帶著水母去流浪(クラゲと旅に出る)』、『戀戀真夏』、『讓飛魚去憂傷(悲しみをトビウオに)』、『天地無用』、長編小説『三明治俱樂部(サンドイッチクラブ)』、『大好時光:三明治俱樂部2(ハッピーアワー)』『九層塔之家(タイワンバジルの家)』『無影者』『恋愛成就』『餐桌上的臉(食卓の表情)』、旅行エッセイ・ガイド『半日東京(Slow Tokyo)』、『日本・一日遠方』など30冊以上の著作を刊行している。

 

2008年以降は東京に居を構え(早稲田大学日本語別科修了、東京デザイン専門学校雑誌編集デザイン学科卒業)、日本を舞台とした小説、東京暮らしを綴るエッセイ、日本社会の観察コラムなどを執筆。雑誌『大誌BIG ISSUE TAIWAN』、ウェブメディア「日経中文網」(日経新聞電子版の中文サイト)などに発表する一方、中国語圏の旅行者に向けたインバウンドメディア「歩歩日本」(http://www.bubu-jp.com/)の編集長を務める。近作は、在住者の視点から東京や地方を紹介する旅エッセイ『東京小路亂撞(東京の小道そぞろ歩き)』、『日本小鎮時光(日本の小さな町の時間)』など。架空の銭湯を舞台にした大人向け絵本『麒麟湯』が、2019年台湾文化部・金鼎賞を受賞。

 

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