台湾文学界の新星、林育徳の連作短編小説『リングサイド』が、2021年2月19日、小学館から刊行されました!

カバーイラストを見ればわかる通り、本作『リングサイド』は、プロレスに関係する小説です。
でも、「レスラーたちの、リングの上での熱い闘い」だけが描かれる、ただの「プロレス小説」ではありません。
実は、台湾ではプロレスはとてもマイナーなエンターテインメント。
本作で描かれるのは、そんな台湾でうっかりプロレスに”出会ってしまった”市井の老若男女の、人生に於ける特別な(あるいはふつうの)数ページです。
台湾東部の小都市を主な舞台に、ばあちゃんっ子の男子学生、夫とケンカして1泊だけ家出した若い妻、旅行会社をリストラされ人生の張り合いを失った初老の男性、Uターンしてインディーズプロレス団体を立ち上げる青年など、1篇ずつ異なる主人公、異なる視点で描かれる10篇の物語が、少しずつ繋がりながら展開します。
登場人物の多くは、人生が一時的に停滞していたり、やるかたない思いを抱いていたり、何かの壁にぶつかっていたりします。彼らはプロレスに出会うことで、人生をほんの少しだけ前に進めたり、生き方そのものを大きく変えてしまったりします。
彼らにとって、人生を進めるきっかけとなったものは、(たまたま)プロレスでした。でも、ある人にとっては俳優を好きになることだったり、何かの趣味だったり、いわゆる「推し活」がそうだったかもしれません。
プロレスにまったく興味がなくても、何かを好きになったことのあるすべての人が、読んで共感を感じられる作品です。
著者・林育徳さんは、1988年花蓮生まれ。中学時代から詩作を始め、全国学生文学賞、中央大学金筆賞、東華大学文学賞、花蓮文学賞、海洋文学賞など多数の受賞があります。

こちら↓もどうぞ
『リングサイド』著者 林育徳さんインタビュー「小説は、タイムカプセルだ」(前編)
『リングサイド』著者 林育徳さんインタビュー「小説は、タイムカプセルだ」(後編)
国立東華大学華文文学研究所の創作コースで呉明益氏に師事。本作は著者の大学院の卒業制作作品です。2016年、台湾の文学系の大手出版社・麥田出版から刊行されました。

本書に収録の「ばあちゃんのエメラルド」(原題:阿嬤的綠寶石)は、2016年第18回台北文学賞小說部門の大賞を受賞しました。
『リングサイド』の主な舞台は台湾東部の小さな街。
作中で「小城」(中国語で”小都市”)と呼ばれるこの街は、著者・林育徳さんが生まれ育ち、現在も住んでいる花蓮のこと。作品中には花蓮のいろいろな場所が、実名・仮名で登場します。
花蓮に住む人々が、開発や、観光による経済発展で大きく姿を変えていく街について、少なからず抱いている感慨が、登場人物たちの言葉を通して伝えられます。

↑花蓮・
本作品は、今まで日本で翻訳出版されてきた台湾文学とは、少し毛色が違うかもしれません。
本作には、日本統治時代の台湾や、民主運動などの台湾の「大きな歴史」は描かれません。
でも、台湾のケーブルテレビの勃興や、ローカルプロレスの発展や、花蓮の小さな場所の変化など、日本でうけとる報道や、本や雑誌では知ることができなかった現代台湾の「庶民史」と言えるものが、たくさん詰め込まれています。
「いま」の台湾の、「ふつうの人びと」の人生や感情がたくさんもりこまれています。
日本版単行本のカバーは、現代の台湾を代表する漫画家、阮光民氏が特別にイラストを描きおろしました。
阮光民さんは2020年には、呉明益氏原作の『歩道橋の魔術師 漫画版 阮光民巻』(原題:天橋上的魔術師 圖像版 阮光民巻)で、第11回台湾政府文化部「金漫賞」年度漫画賞、第14回日本政府外務省「日本国際漫画賞」優秀賞を受賞した実力派です。
(詳しくはこちらの記事をどうぞ→リンク)
本書の宣伝用試読本を読んでもらった方から、「プロレスには全然興味がなかったので、しばらく読み始めなかったんだけど、読みはじめたら手が止まらなかった」という感想をたくさん(本当にたくさん)いただきました。
プロレスに興味がある人もない人も、『リングサイド』で、台湾文学の新しい風を感じてみてください。
★読んでくださった書店員さんが、こんな熱のこもった特設コーナーを作成してくださいました!

↑東京堂書店神保町店さん、ありがとうございます!
(写真提供:東京堂書店神保町店 文芸ご担当:清都さま)

『リングサイド』小学館 刊
林育徳 著 三浦裕子 訳 阮光民 装画
ISBN978-4-09-386588-3
四六判 320頁 定価1800円+税
リンクは→ こちら
四六判 320頁 定価1800円+税
リンクは→ こちら
カバーイラストを見ればわかる通り、本作『リングサイド』は、プロレスに関係する小説です。
でも、「レスラーたちの、リングの上での熱い闘い」だけが描かれる、ただの「プロレス小説」ではありません。
実は、台湾ではプロレスはとてもマイナーなエンターテインメント。
本作で描かれるのは、そんな台湾でうっかりプロレスに”出会ってしまった”市井の老若男女の、人生に於ける特別な(あるいはふつうの)数ページです。
台湾東部の小都市を主な舞台に、ばあちゃんっ子の男子学生、夫とケンカして1泊だけ家出した若い妻、旅行会社をリストラされ人生の張り合いを失った初老の男性、Uターンしてインディーズプロレス団体を立ち上げる青年など、1篇ずつ異なる主人公、異なる視点で描かれる10篇の物語が、少しずつ繋がりながら展開します。
登場人物の多くは、人生が一時的に停滞していたり、やるかたない思いを抱いていたり、何かの壁にぶつかっていたりします。彼らはプロレスに出会うことで、人生をほんの少しだけ前に進めたり、生き方そのものを大きく変えてしまったりします。
彼らにとって、人生を進めるきっかけとなったものは、(たまたま)プロレスでした。でも、ある人にとっては俳優を好きになることだったり、何かの趣味だったり、いわゆる「推し活」がそうだったかもしれません。
プロレスにまったく興味がなくても、何かを好きになったことのあるすべての人が、読んで共感を感じられる作品です。
著者・林育徳さんは、1988年花蓮生まれ。中学時代から詩作を始め、全国学生文学賞、中央大学金筆賞、東華大学文学賞、花蓮文学賞、海洋文学賞など多数の受賞があります。

こちら↓もどうぞ
『リングサイド』著者 林育徳さんインタビュー「小説は、タイムカプセルだ」(前編)
『リングサイド』著者 林育徳さんインタビュー「小説は、タイムカプセルだ」(後編)
国立東華大学華文文学研究所の創作コースで呉明益氏に師事。本作は著者の大学院の卒業制作作品です。2016年、台湾の文学系の大手出版社・麥田出版から刊行されました。

本書に収録の「ばあちゃんのエメラルド」(原題:阿嬤的綠寶石)は、2016年第18回台北文学賞小說部門の大賞を受賞しました。
『リングサイド』の主な舞台は台湾東部の小さな街。
作中で「小城」(中国語で”小都市”)と呼ばれるこの街は、著者・林育徳さんが生まれ育ち、現在も住んでいる花蓮のこと。作品中には花蓮のいろいろな場所が、実名・仮名で登場します。
花蓮に住む人々が、開発や、観光による経済発展で大きく姿を変えていく街について、少なからず抱いている感慨が、登場人物たちの言葉を通して伝えられます。

↑花蓮・
本作品は、今まで日本で翻訳出版されてきた台湾文学とは、少し毛色が違うかもしれません。
本作には、日本統治時代の台湾や、民主運動などの台湾の「大きな歴史」は描かれません。
でも、台湾のケーブルテレビの勃興や、ローカルプロレスの発展や、花蓮の小さな場所の変化など、日本でうけとる報道や、本や雑誌では知ることができなかった現代台湾の「庶民史」と言えるものが、たくさん詰め込まれています。
「いま」の台湾の、「ふつうの人びと」の人生や感情がたくさんもりこまれています。
日本版単行本のカバーは、現代の台湾を代表する漫画家、阮光民氏が特別にイラストを描きおろしました。
阮光民さんは2020年には、呉明益氏原作の『歩道橋の魔術師 漫画版 阮光民巻』(原題:天橋上的魔術師 圖像版 阮光民巻)で、第11回台湾政府文化部「金漫賞」年度漫画賞、第14回日本政府外務省「日本国際漫画賞」優秀賞を受賞した実力派です。
(詳しくはこちらの記事をどうぞ→リンク)
本書の宣伝用試読本を読んでもらった方から、「プロレスには全然興味がなかったので、しばらく読み始めなかったんだけど、読みはじめたら手が止まらなかった」という感想をたくさん(本当にたくさん)いただきました。
プロレスに興味がある人もない人も、『リングサイド』で、台湾文学の新しい風を感じてみてください。
『リングサイド』著/林育徳 訳/三浦裕子 小学館刊 → リンク
★収録の2篇が全文まるごとためし読みできます。
「ばあちゃんのエメラルド」→ためし読み
「タイガーマスク」→ためし読み
★読んでくださった書店員さんが、こんな熱のこもった特設コーナーを作成してくださいました!

↑東京堂書店神保町店さん、ありがとうございます!
(写真提供:東京堂書店神保町店 文芸ご担当:清都さま)