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『啄木鳥女孩』(仮題:キツツキの女の子)
文:劉清彦、姜義村
絵:海蒂朵兒 Heidi Doll
出版社:巴巴文化
刊行:2015年4月
原書:48頁 / 21 x 29.7 x 0.24 cm/フルカラー
英語版、韓国語版、ベトナム語版契約


キツツキ画家の女の子の話 

わたしはキツツキ
絵を描くことが好きなキツツキ。
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でも、本物のキツツキのように、木の枝の間を跳び渡ることも
空を自由に飛び回ることもできない。
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生まれたときの事故で、体は脳の言うことをきかない……
体のバランスをとることも、首を動かす方向を決めることも、
話すことも、簡単ではないの。

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ほかの人が走ったり、歌ったりしているのを見ているだけ。
自由に動けるのはどんな感じだろう…?
わたしはただ、車椅子に静かに座っていることしかできない。

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パパは、わたしに「絵が描けるかも!」と言ってくれた。
それで美術の先生がわたしのために、ある方法を考えてくれた。
絵筆をヘッドバンドにとりつけて、「点」をひとつひとつ打って、
描きたいものの形を描いてみた。

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絵を描くことで、わたしは自由になれた。

本作は画家、黄羿蓓(ホァン・イーペイ)さんをモデルにした絵本。
彼女は生まれた時、出産時間が長引いたことが原因で、脳性麻痺に。
障害と一生付き合うことになったが、絵を描くことによって、人生の希望を見いだした。
ヘッドバンドに絵筆を付け、頭を前後に動かすことで絵を描くスタイルから、
自らを「キツツキ画家」と呼んだ。
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最後のページに、黄羿蓓さん自身の絵を収録。
絵本の絵を描いたイラストレーターの海蒂朵兒は、本作の絵の中に、
黄さん本人が描いた絵を取り入れ、融合させている。
最後のページを見ながら、本文を読み返し、
黄さんの絵がどこに入っているか、探してみよう。

• 書籍ページ


文:
劉清彥
絵本作家。読み聞かせを30年続けた。いまも児童書の創作と翻訳をする傍ら、ラジオやテレビのパーソナリティとして絵本を紹介している。
姜義村
大学教授。心身障害者のニーズを研究している。近年、児童書の創作を試みると同時に、児童書の紹介にも携わる。

絵:海蒂朵兒(Heidi Doll)
絵本作家。イラストレーターとして数々の書籍にもたずさわる。自然、動物、散歩が好き。現在花蓮の海辺に住んでいる。著書は『星星不見了』『歪歪兔』『猫咪旅館』など。
Facebook : 海蒂朵兒 Heidi Doll


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